新潟県観光協会が主催する「親子で参加する新潟県上越地域の文化に満たされる旅(1泊2日)」にご招待いただき、モニターとして参加してきました。
新潟県にはスキーや温泉目的で何度が訪れていますが、今回の訪問先は全て初めての場所。知らなかった新潟の文化や魅力を堪能した2日間になりました。旅の工程や様子を紹介していきます。
1日目は上越・妙高市内を観光
出発日は11月28日。集合場所のJR上越妙高駅に到着すると、出発地の埼玉よりもやや冷たい空気です。子供が風邪をひかないよう厚手の格好をして正解でした。
駅のロータリーで新潟市の旅行会社トラベルマスターズのバスに乗車し添乗員さん、新潟県観光協会の方、他の参加者の方と合流します。
妙高市の名産品「かんずり」本社へ
最初に訪れたのは有限会社かんずり。妙高市に古くから伝わる「かんずり」を製造・販売している会社の本社工場です。
「かんずり」とはとうがらしや海の塩、柚子、麹をもとに作られる発酵調味料のこと。会議室に案内され製造工程を映像で紹介してくれました。
寒さが厳しい時期に「かんずり」の材料である自家製唐辛子を雪の上で3〜4日雪ざらし(雪さらし)をし甘さを引き出します。真っ白な雪と真っ赤な唐辛子のコントラストが妙高地域の風物詩なのだそう。雪にさらした唐辛子に黄柚子・米糀・塩を混ぜ3年かけて熟成・発酵させます。
売店では工場で製造した「かんずり」を購入できます。試食をいただくとピリッと辛く塩辛く、お肉や野菜、鍋物に入れて食べたくなる味。
熟成・発酵は大体3年ですが6年の「かんずり」は新潟県内だけで販売されているのだそう。せっかくなので6年物を1瓶購入してきました。
旅館田端屋で「笹箕すし」作り
続いては妙高山の麓にある妙高市杉野沢の旅館・田端屋で「笹箕(ささみ)すし」作り体験とお昼。このとき、外は雪がちらちら舞うほどの寒さ。室内に置かれたストーブの暖かさにホッとしました。
「笹箕すし」とは、笹の葉を箕(竹で編んだ農作業の道具)の形にした入れ物にし、酢飯と詰め具材を乗せたもの。
田端屋さんの女将さん方に笹の葉を折るところから教えてもらいます。笹の葉を箕の形にするのが簡単そうで難しかったのですが、これもいい経験でした。
完成した笹の葉に酢飯を詰め、桜でんぶや椎茸煮、青菜、昆布など具材を各自好きなバランスで乗せていきます。
錦糸卵や鮭フレーク、たけのこ煮、きゅうりの漬け物なども。具材だけで十分おいしそう!と具を大盛りにしちゃいました。
親子で一緒に完成!こうしてみるとやはり具材たっぷり。さらに、宿の方が作ってくれた豚汁とぼたもちも一緒にいただきました。豚汁にはさきほど見学した「かんずり」を入れてくれてさらに大満足。
味は笹の葉がほんのりと香り具材との相性は抜群。おいしいのとお腹が空いていたので子供が食べきれなかった分も完食しました。
新潟といえば「笹団子」「三角ちまき」「笹もち」など、笹の葉を使用した多くの料理が深く息づいているのも納得です。
上越市「高田城址公園」
お昼を食べて妙高市から上越市へ移動。高田城址公園を見学です。
徳川家康の六男・松平忠輝公の居城として築城された高田城の跡に造られました。春は桜、夏は蓮、秋は紅葉が見られ上越の歴史を感じながら散策ができます。
上越市埋蔵文化センター
次は上越市埋蔵文化センターへ。上越市の歴史や埋蔵文化を紹介している施設で上越の歴史をより深く学べます。
「越後上越上杉おもてなし武将隊」が登場!上杉景勝公が出迎えてくれました。
上越市埋蔵文化センターではかわいらしい上杉謙信のポールを発見。
上越市「春日山神社」
1日目最後の見学場所、春日山神社へ。
明治34(1901)年に旧高田藩士の小川澄晴が日本近代郵便の父・前島密らの援助を受けて春日山城の一角に創建した神社です。本殿はもっとも古い神社建築様式。
埼玉より紅葉が進んでいたため気候の違いを感じます。子供は真っ赤に染まったモミジを一生懸命拾い集めていました。
鵜の浜温泉「ロイヤルホテル小林」
そして今夜の宿泊先、鵜の浜温泉ロイヤルホテル小林に到着。
5階の客室からは日本海の大海原を一望できます。この日は曇りでしたが、天気が良いと絶景の夕日が見られるそう。
夕食まではテレビを見たり、温泉に入ったり親子でのんびりと過ごします。
夕食はお刺身の舟盛りをメインに日本海の海の幸を堪能。子供の食事にも大人と同じ舟盛りが付いてきて豪華!
海の幸だけでなく、地元産の豚肉を使用したお鍋もいただきます。
アルコールを1杯サービスしてくださるということで「岩の原葡萄園」の赤ワインをいただきました。疲れが吹っ飛びます。
2日目は糸魚川市を観光
2日目の朝。海は荒れていますが雨は降っていないので外を歩くのは大丈夫そう。
朝食は納豆や焼き魚、煮物、ご飯、お味噌汁など和定食で子供の料理も同じ内容でした。季節的にご飯は新米だったのかな?とてもおいしく子供も私もおかわりするほど。
糸魚川市「フォッサマグナミュージアム」
2日目最初の見学先は、糸魚川市のフォッサマグナミュージアム。石を通して地球や日本列島の成り立ちを学ぶ博物館です。
糸魚川は「ヒスイのまち」として知られ糸魚川で採取できるヒスイの紹介や展示がされています。
ヒスイ鑑定もしています。鑑定は人気で現在は予約制となっています。
なんと石で作ったタモリさん!「ブラタモリ」で糸魚川が紹介されタモリさんが来訪したそう。
糸魚川市「ヒスイ海岸」で石拾い
続いては、糸魚川市のヒスイ海岸で石拾い体験。子供はきれいな石を集めるのが趣味で、親子で一番楽しみにしていた場所です。
ヒスイの産地糸魚川では、世界最古のヒスイ文化発祥の地といわれており、2022年には糸魚川のヒスイが新潟県の石に決定しています。
海岸に下りると砂浜ではなく石だらけの砂利浜が広がります。こんな石だらけの海岸は初めてで親子で大興奮!
ヒスイは簡単には見つかりませんが、きれいな石がたくさんあるので浜を掘っていると夢中になります。ヒスイの特徴は乾いていてもツルツル、キラキラしていて重量感のある石です。
ツアー参加者には拾った石を入れられる容器「石ころひろっこ」が配られました。形のきれいな石やつるつるした石、三角や四角など変わった形の石など、夢中になり拾います。
しかし、海は波が高く大荒れ。波にさらわれたら大変なので気をつけながら、短時間で済ませることに。もっと石が拾いたかったし掘りたかった・・・ひすい海岸、個人でまた来たいです。
糸魚川市「道の駅マリンドーム能生」
お昼を食べに、糸魚川市の道の駅マリンドーム能生へ。
日本海側最大級のベニズワイガニ直売所「かにや横丁」があるのが特徴。鮮魚センターや海の幸が食べられるレストラン、お土産、コンビニなど充実しています。
能生で採れたカニがコンテナに積まれ店先に並びます。海無し県の埼玉ではこんな光景は見られないので新鮮。
日本海を見ているだけで癒されます。
お昼は質素にうどんと親子丼(笑)
糸魚川市「牧野製飴店」でお買い物
次に糸魚川市中心部をお散歩。お酒の試飲ができる「加賀の井酒造」と昔ながらの飴を販売している「牧野製飴店」に分かれて行動しました。私たち親子は牧野製飴店へ。
▼糸魚川名物・「マキノ式飴」牧野製飴店へ行ってきた様子はこちら
糸魚川・牧野製飴店「マキノ式飴(マキノの飴)」昔ながらの懐かしい味!値段・味の種類・販売店を紹介糸魚川駅周辺をまちあるき
加賀の井酒造は、創業350年以上新潟県最古の酒蔵を持つ酒造会社。参勤交代が行われていた江戸時代、加賀藩の本陣として使用され「加賀の井」と命名された由来を持ちます。
2016年12月に発生した糸魚川大火により代々受け継いできた酒造は全焼しましたが、2018年から新蔵での稼働が始まっています。
市民が気軽に集い憩える駅北広場「キターレ」では糸魚川大火災の記録が展示されていたので見学。平成28(2016)年12月22日糸魚川市の中華料理店から火災が発生し、糸魚川駅東口周辺の住宅密集地域に加えフェーン現象による強い南風により炎は広がり、30時間以上の延焼、約40,000㎡が焼失しました。当時の新聞や映像、展示物で火事の様子、再建の様子を伝えています。
糸魚川市は昭和以降に限っても昭和3年・7年・29年、そして平成28年と何度か大火を経験していることに驚き、地理や木造建築物も要因のひとつだったのだなと感じました。
散策しながら最終目的地、JR糸魚川駅まで歩きます。駅前ロードにはヒスイのモニュメントも。
糸魚川駅「糸魚川ジオステーションジオパル」
新幹線の待ち時間は「糸魚川ジオステーションジオパル」へ。「糸魚川ユネスコ世界ジオパーク」の魅力発信基地として北陸新幹線高架下に開設された施設に巨大なプラレールや鉄道実車両の見学、大型鉄道のジオラマ・Nゲージ(有料)などがあり、電車好きにはたまらない場所です。
しかも、入場無料!電車好きの子供がたくさん遊びに来ていました。自宅近くにもほしいなぁ。
新幹線の発車時刻が近づいてきたのでホームへ。「がんばろう糸魚川」の文字を見て「キターレ」で見学した糸魚川大火災の記録を思い出しました。
上り新幹線ホームからは日本海の水平線がきれいに見えます。新幹線で来て海まで歩いてヒスイを探しに石拾いができるな、夏は海に入れるかな、とプランを立てたくなる新潟の旅でした。