長野県野沢温泉の「いけしょう」へ宿泊してきました。
子連れで過ごしてきた様子を紹介していきます。
野沢温泉の宿・いけしょうについて
長野県飯山市にある野沢温泉は、北陸新幹線飯山駅から路線バスで25分。
観光客でも利用できる13の共同浴場や賑やかな温泉街、冬はスキー場がオープンするなど1年を通してが多くの人が訪れています。
「民宿いけしょう」は野沢温泉バスターミナルからは徒歩5分ほどの「熊の手洗い」エリアにあります。
100年以上の古民家を改装した重厚感のある建物。つい立ち止まり眺めたくなる、厳かな雰囲気です。
内湯がないので歩いて30秒ほどの共同浴場「熊の手洗い湯」を利用します。うちの家族は大丈夫でしたが、内湯がないと困るという場合は、宿泊は難しいかもしれません。
いけしょうを知ったのは、雑誌『自遊人』の特集記事。俳優・緒形拳さんが宿泊し、雰囲気や食事を非常に気に入ったとのこと。
さらに、宿泊費が1泊2食付き8,700円(当時)という安さだったので、行ってみたいと思ったのでした。あの緒方拳さんが気に入った宿なんて気になりますしね。
扉を開けると昔ながらの玄関が広がり、ご主人と奥様が出迎えてくれました。
チェックインは14時。12時頃到着するので荷物だけ置かせてもらえないか、と事前にお願いしていましたが「準備ができているので」と早い時間から部屋に案内してくれました。親切な対応に旅の疲れも吹っ飛びます。
宿はご夫婦で接客しており、客室は1階1部屋、2階2部屋で通常時は3組の受け入れが可能だそうです。
(訪れた2021年3月は2組に減らして営業していました。)
廊下と階段を歩くと、黒塗りの床と柱はピカピカ!黒だとホコリが目立ちますが、気にならないほどで掃除が行き届いているのがわかります。
この日の宿泊は私たち4人だけだったので、多少子どもが大きな声を出しても気にせず過ごせました。
案内されたのは、2階の10畳ほどのお部屋。料金は税込で、大人1泊2食付き9,500円、小学生は6,300円、休日前でも同料金でした。
部屋にはテレビとこたつ、暖房が置かれ、トイレと洗面所は廊下にあります。
大人2人子ども2人で過ごすにはちょうどいい広さ。大人3人までなら無理なく過ごせるかなという印象です。
天井は高く太く立派な梁がかかり、古民家の雰囲気が存分に味わえる素敵な空間です。
客室には浴衣が用意されていました。
こたつの上には茶器セットと温泉まんじゅう。
お茶を飲んでこの後、2時間ほど外出したのですが戻ってきたらポットのお湯が追加されていました。短時間なのに交換してくれたようです。
共同のトイレ・洗面台は2階と1階にそれぞれ設置されています。古民家といっても、洗面台は広くトイレも新しいので安心して使えました。
洗面台にはハンドソープ、シャンプー、リンス、ボディソープ、洗顔フォーム、使い捨て歯ブラシ、歯磨き粉、タオルがひととおり置かれ、宿泊客は自由に利用できます。
そして気になるのが温泉。先述したとおり、いけしょうには内湯がなく、野沢温泉の外湯を利用するようになっています。
もちろん、内湯がないのを承知で予約し、外湯の流れ知っていたので面倒な感じは全くありませんでした。個人的には、野沢温泉なら外湯のほうがいいというくらいなので。
一番近い共同浴場は歩いて1分の「熊の手洗い湯」。
野沢温泉の中では源泉40度前後で入りやすく、小学生の息子もすんなりと浸かれるほど。私もかなり気に入っています。
入りやすく人気なので夕方の時間帯はよく混み合っています。人が減るまで外で待つこともしばしば。真冬はタイミングを見計らって訪れるのがおすすめです。
外湯巡りや温泉街を散策して、夕食に向けてお腹を空かせます。
いけしょうの食事
夕食は18:30から。部屋ではなく1階の広間でいただきました。
広間の襖を開けると、なんと囲炉裏が!改築前のものをそのまま利用しているそうです。
息子と娘は「なにこれー!?」とびっくり、おおはしゃぎ。これは大人も気分が上がりますね。
囲炉裏は炭が赤々と燃え、これからいただくと思われる焼き魚がくべられていました。
夜はまだ冷える時期だったので、囲炉裏で暖を取るにはちょうどよかったです。
そして、テーブルには隙間がないほど料理が置かれ、デザートを含め10品もでてきました。
単に品数が多いだけでなく、ひとつひとつ手が込んでいて滋味あふれるおいしさが堪能できます!
囲炉裏にあった魚の塩焼きやグラタン、鮭の包み焼きなど、温かい料理はきちんと温かい。
私たちが席に付くタイミングを計ってくれたようで、細かな配慮がうれしいですね。
マグロと甘エビのお刺身。長野には海ないのにプリッと新鮮な食感!どこから仕入れてきたのかしら・・・?
特に印象に残ったのは、白身フライに添えられていた手作りのタルタルソース。
玉ねぎのシャキシャキ感と卵のコクがマッチしてる。タルタルソースをご飯に乗せて食べてもおいしくて、何杯でもおかわりできそうでした。
タルタルソースが手作りなんて、料理下手な私からしたら考えられない・・・。と思っていたら、壁に飾られた奥様の調理師免状を発見。なるほど、どおりでおいしいはずです。
子どもたちも大満足の食事でした。料理はいけしょうの最大の魅力と言っても過言ではありません!
夕食を終え部屋に戻ると布団が敷いてありました。布団やリネン類は清潔感があり、安心して寝られます。
寝る前に熊の手洗い湯に最後の入浴。5時から23時まで利用できました。
そして、翌朝も起床後に温泉へ。朝食前に入浴できるのが温泉宿泊の醍醐味ですね。
朝食もこのボリューム!おいしいので、残さずきれいにいただきました。
豆腐ハンバーグ、焼き鮭、温泉卵など、手の込んだ家庭料理が並びます。
そして、10時にチェックアウト。
帰り際ご主人に「緒形拳さんが宿泊された記事を読んだのですが」と思いきって話しかけてみました。だってこれを聞かなくては帰れない!
「そうなんですよ〜」と気さくに反応してくれたご主人。緒方さんが亡くなる数年前だったそうで、一般客に混ざり熊の手洗い湯にも入ったそうです。「また来るよ」とおっしゃたそうですが、それきりになったと。
あの記事に書いてあったとおり、緒形さんが気に入っていたのも納得。雰囲気や清潔感、食事、どれも満足で野沢温泉の定宿を見つけた気分です。また訪れたいと思います。